楽曲レビュー ~デッサン#1/ポルノグラフィティ~

こんにちは、ハムスケです。今回はポルノグラフィティさんの「デッサン#1」を紹介します。1999年、「アポロ」でデビュー後、特大ヒットを数々生み出してきたと同時に、この曲は、ポルノグラフィティのインディーズ時代に作られた曲で、メジャーデビュー後のアルバム「ロマンチスト・エゴイスト」に収録されています。

 

構成

イントロ(8)→Aメロ(8)→Bメロ(8)→サビ(8)→間奏(4)→Aメロ(8)→Bメロ(8)→サビ(8)→

                 間奏(8)→Cメロ(8)→間奏(8)→サビ(8)→アウトロ(21)

この構成はJpopではお決まりのパターンです。Cメロがあるのが邦楽らしくて好きです。

実はこの曲、インディーズ版とメジャー版で構成や歌詞が違うのです。インディーズバージョンではラスサビがカットされています。

 

コード

Aメロ:|C|→|C|→|Am7|→|Am7|→|C|→|C|→|Am7|→|Fm|

Bメロ:|Am7|→|G|→|Am7|→|G|→

             |Fm→F|→|B♭→Bm7⁻⁵|→|C→Dm7|→|Gsus4|

サビ:|F→G|→|Am7|→|F→G|→|Am7|

 

キーはC(Am)です。ポルノグラフィティのコード進行には特徴があって、それは、ギターでめちゃめちゃ弾きやすい進行ということです。デッサン♯1をはじめ、アゲハ蝶、メリッサ、サウダージハネウマライダー、アポロなど数多くの曲が単純なコードで作られています。ポルノの曲は、リズムとメロディーが非常にノリよくできているため、コードを複雑にしてしまうと、曲の疾走感が損なわれてしまうのです。あえてコードを目立たなくさせることで、曲全体の完成度を引き上げています。

Aメロのコード進行ですが、CとAm7を行ったり来たりしています。この2つのコードは代理コードと呼ばれるもので、構成音が非常に似ているのです。Cの構成音はド、ミ、ソ。Am7の構成音はド、ミ、ソ、ラとなっています。Cにラの音を付け足すだけで、響きが一気に暗くなるのです。

 

歌詞

 この曲はインディーズバージョンとメジャーバージョンで、歌詞が若干違うのです。

大きく違う二か所を紹介します。1つ目は、サビの後半です。メジャーバージョンでは、「この夢が最後に暗示した意味だけ」「どうしてだろう、なぜだかこの辺が痛いよ」という抽象的な歌詞になっています。しかし、もともとインディーズバージョンでは「たった一つ、セロリが嫌いなことだけ」という、具体的でユーモアのある歌詞だったのです。

2つ目は、ラスサビの英語歌詞です。

”Nobody could expect such a silly result. Same with me yeah,,, We can never know in advance what will happen in the future. "  ※訳 (誰もこんなバカげた結末を予想することはできない。僕と同じように、、、そう、あなた(僕たち)は決して前もって、未来に何が起こるか知ることができない。)

ポルノグラフィティっぽい、キザかっこいい歌詞ですね。

 

リズム

ポルノグラフィティは、リズムから曲を作ると聞いたことがあります。したがって、ポルノの曲は練られた複雑なリズムが多い気がします。この曲のイントロのエレキギターのリフが、シンコペーション(突っ込んだ音符)を利用したもので非常に難しいです。また、Cメロのボーカルもとても難しいリズムで、完璧に歌い上げるのは至難の業です。

 

以上で楽曲紹介は終わりです。ちなみに、ポルノグラフィティさんはYouTubeをやられているのですが、これがとっても面白いんです。ライブでは見られない、お二人の自然な姿を見られるので、ぜひチェックしてみてください。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

楽曲レビュー ~花言葉/Mr.Children~

こんにちは、ハムスケです。今回は楽曲レビューです。今回の曲は、Mr.Childrenさんの「花言葉」でございます。この曲は2004年のアルバム「シフクノオト」に収録されています。「シフクノオト」は初週売り上げ100万枚を記録した名盤でございます。

 

構成

サビ→イントロ→Aメロ→サビ→間奏→Aメロ→サビ→Cメロ→転調サビ→アウトロ

 

この曲はBメロがありません。Aメロ→Bメロ→サビの構成は、尾崎紀世彦さんの「また逢う日まで」以降の楽曲でメジャーとなった構成です。いまでは当たり前となった構成です。Bメロは、Aメロで作られた曲のイメージを、曲の中心となるサビへつなぐ役割を担っています。Bメロでは、Aメロで培われた曲のイメージを壊さずに、なおかつリスナーを飽きさせない展開を生まなければなりません。

Bメロを省略することで、より洗練されたメッセージを伝えることができます。しかし、サビに向けての助走が少ないため、曲の盛り上がりを出すのが至難の業となります。ですがそこは天下のミスチルです。違和感なくサビに突入し、歌詞を簡潔なストーリーに仕上げています。

2番が終わった後に、Aメロ、サビに続く3つ目のメロ(ここではCメロ)を入れています。Cメロがあるのとないのでは、曲の長さが大きく変わってきます。5分を超えるような曲では、この位置にBメロやCメロが配置されることが多いですが、無難な恋愛ソングなどで入れてしまうと、どうしてもメッセージ性が薄れてしまい、冗長な曲になりがちです。この曲では、Bメロを削除しているためにメッセージ性は薄れることなく曲が作られています。さらにCメロのインパクトのおかげで、その後の転調サビへの突入もしやすくなっています。

最後の転調ですが、キーがDからEへと全音上がっています。転調前まで、かなり淡々とした起伏の少ない曲調でしたが、転調のおかげで曲の盛り上がりを感じ取られます。主人公の抑えていた感情が爆発したようにもとられます。

 

コード

Aメロ:|Bm|→|F#m7|→|GM7|→|D|→

                  |Bm|→|A|→|GM7|→|F#7sus4→F#7|

Cメロ:|GM7|→|A|→|Bm7|→|E|→|Em|→|F#m|→|G|→|C|

サビ  :|Bm|→|F#m7|→|G|→|D|→

               |Em7→A|F#7→Bm7|→|G|→|Asus4→F#7|

 

キーはDでございます。しょっぱなからマイナーコードで始まっており、この曲の暗く悲しいイメージが伝わってきます。サビ終わりのⅤsus4→Ⅲ₇の進行は、曲を続かせる、ループさせる効果を持っています。ミスチルの他の曲では、HANABIのイントロやBメロで使われています。

歌詞

何より大切なフレーズ、「コスモスの花言葉」です。コスモスの花言葉には、乙女の愛情、恋の終わりがあります。コスモスの花言葉は咲かなかった」これは相手の、自分への愛情はなくなってしまったことを表しているのでしょう。さらにもう一つの花言葉、恋の終わりできれいに物語を終えています。

伴奏

サビ出しはピアノとボーカルから始まっており、シンプルな始まりです。Aメロからエレキギターの、ボーカルに対する合いの手が入ってきます。音色が心地よいですね。また、曲を通して枯れたアコギのカッティングが聞こえます。アコギ色が強いため、アコギ一本で弾き語りしやすいです。

Cメロのベースが、ここだけ細かい音符で作られています。大サビへ向かう助走のように聞こえます。

 

今回はこれで終わりです。お読みいただきありがとうございました。

 

 

 

楽曲レビュー ~今宵の月のように/エレファントカシマシ~

こんにちは、ハムスケです。今回は楽曲レビューをしていきたいと思います。記念すべき第1回はエレファントカシマシさんの今宵の月のようにでございます。昔の曲ですが、個人的に大好きな曲なのでこの曲にしました。

本作は1997年リリース、テレビドラマ「月の輝く夜だから」の主題歌として書き下ろされました。1997年というと、23年前です。ちなみに僕もまだ生まれておりませんでした。

早速楽曲分析、レビューへと参りましょう。

構成

曲の構成を見てみます。この曲は

サビ(15)→イントロ(8)→Aメロ(16)→Bメロ(9)→サビ(7)→間奏(8)→Aメロ(16)→Bメロ(9)→サビ(19)→アウトロ(8)

構成になっております。ポイントは、サビ始まり(サビ出し)が15小節と長めになっている点です。長サビはテレビCMで重宝されますね。サビ出しは30秒以上尺があったため、30秒CMにもぴったりです。

また、サビ終わりが間奏に食われる形となっているため、イントロや間奏で独特の疾走感を感じられます。間奏が16分のギターカッティングとなっている点からも、意図的に間奏に疾走感を持たせたいのでしょう。まるで、この曲の主人公が歩いたり、急に走り出しているかのようです。

Bメロ終わりですが、1小節の助走があります。後で触れますが、この小節のコード進行はⅤsus4→Ⅴと、サビへ続く気持ちいいコードとなっております。助走の小節を入れることで、丁寧なサビ入りが可能となります。しかし、あまりにも丁寧に入ってしまうとかなりダサくなってしまうんです。この曲では、ダサさを回避するためにサビへ半拍速く突っ込んでいます。

コード

次にコード進行を見ていきます。キーはGでございます。

Aメロ:|G→GM₇|→|G₇→E₇|→|Am→AmM₇|→|Am₇→D₇|

Bメロ:|B₇|→|Em|→|A₇|→|D|→(|Dsus4→D|)

サビ:|G|→|B₇|→|Em|→|G₇|→|C→D|→|B₇→Em|→|A₇→D|→|G|

間奏:|Gsus4→G|→|Fsus4→F|

 

まずAメロの進行ですが、この進行、構成音がソ→ファ#→ファ→ミ→ミ→レ#→レ→ドとだんだん下がっているんです。カノン進行とクリシェを併せ持ったような進行です。

2周目のBメロの最後、9小節目のⅤsus4→Ⅴの動きが気持ちいいですね。この進行はⅠ度に元に戻ろうとする力を生みます。つまり、新しい展開を生むエネルギーを蓄えているのです。ここの小節で、サビが始まる絶好の環境を作ってくれているのです。

サビの進行は、ザ・Jpopな進行です。始めのⅠ→Ⅲ₇の進行は、個人的に好きな進行です。これから前を向いて進んでいこうとした矢先、何か不安が頭をよぎるような、何か良からぬことが起こるような、そんなイメージを受けます。

間奏の進行は4つのコードの繰り返しです。構成音を見てみると、ド→シ→シ♭→ラとクリシェを使っております。ここに関しては、コード全体よりコードの中のメロディを楽しむ感じでしょう。

 

リズム

メロディは基本的に8分です。しかし、感想のギターだけ16分になっています。先にも書きましたが、リズムに緩急をつけることで、主人公の気持ちや状態を表すことができます。僕は8分では落ち着いて歩いている印象、16分で焦りを感じて走っている印象を受けました。

歌詞

個人的に歌詞に関しては殆ど関心がないんです笑 が、少し分析してみようと思います。

まずはサビの「あふれる熱い涙」。エレカシの歌詞にはよく出てくる文言ですね。男くささが感じられる、らしさが詰まった表現です。

他のキーワードとしてはサビの「今日(明日)もまたどこへ行く」「愛を探しに行こう」「いつの日か輝くだろう」あたりですね。サビで繰り返し使われています。

これらからストーリーを紐解きます。始まり、なぜか主人公はイライラしています。くだらねえ日常の気晴らしに、昔の彼女の町まで電車に乗って行きます。ただ、元カノには会うことなく、元カノ=君、愛との思い出の地を見て回ります。特に気持ちは軽くなることなく、曲は終わります。感情の起伏はあまりなく、あまり気分が良くない状況がずっと続いている感じでしょうか。

「いいことねえなあ、散歩でもするか。ここら辺昔彼女と歩いたなあ。あの日々は楽しかったなあ。、、いいことねえなあ。」昔の楽しかった思い出と辛い今を比較することはだれしもやることで、この普遍性がこの曲が支持されているポイントなのだと思います。

 

以上、4つの観点からエレファントカシマシさんの今宵の月のようにをレビューしてみました。今回はこれにて終了です。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

カノン進行って?

こんにちはhamusukexです。久しぶりにブログ開いてみたら、1人だけですが記事を

読んでくださった方がいました。ありがとうございます。

さて、今回はカノン進行についてお話します。カノン進行とは、Jpopでは超定番のコード進行です。実際の進行を挙げてみると、C-G-Am-Em-F-C-F-Gがカノン進行の代表です。このコード進行はまんまスピッツさんのチェリーという曲で使われています。また、即興で曲を作れる方は大体このコード進行を弾きながら曲を作っています。

 

理論的な話をすると、このコード進行はⅠ-Ⅴ-Ⅵ-Ⅲ-Ⅳ-Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ以外にもあります。というのは、代理コードの存在です。代理コードについては今度また書きます。

 

結論として、カノンコードさえ覚えていれば、なんかいい感じのJpopが作れる!ということです。

不気味の谷って??

こんにちは、hamusukexです。今回は「不気味の谷」という用語について説明します。不気味の谷とは機械と人間が似すぎると不愉快な感情が生まれるというものです。

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例えばPerfumeは声を加工して機械の音声に近づけています。初音ミクは機械ながらキャラクターを動かし、発生も人声に近づけています。しかしどちらの音声にも不快感を感じずに、逆に心地いい、癖になるとはまる方もいます。機械と人間にある程度の距離感があれば、人間は好感度を増します。しかし、あまりに両者が一体化しすぎて聞き分けががつかなくなると一気に気持ち悪さが出てきてしまいます。これが不気味の谷です。「ゆっくり実況」が気持ち悪いと感じるのはこれが原因です。またこの不気味に感じる感覚は人によって違うため、初音ミクの声が気持ち悪いと感じる人もいれば、ハマるという人もいます。

今日はこれで終了です。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

ウェディングソング分析

こんにちは、hamusukexです。前回のブログから少し期間があいてしまいましたが、今回はウエディングソング分析です。たくさんウエディングソングはありますが、一体どんな曲がヒットするのかを調べました。全部で24曲を徹底分析、比較した結果をもとに考察していきます。早速結果を発表します。

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今回は複数のサイトから抽出した人気曲とゼクシィとマイナビウエディングの㎝ソングをもとに分析しました。平均BPMと平均演奏時間は次の通りです。

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ゆったりした曲が人気のようですね。さらに人称という項目では、わたし、あなた、君といった呼び方が人気のようです。分析中に気づいたことですが、男性目線の曲は一人称を使わないことが多かったように感じられます。曲構成はあまり特徴がなかったです。注目してほしいところは使用楽器です。多くの曲でコーラス(cho)が入っていました。コーラスが入ることによりたくさんの人に祝われている気持ちを味わうことができるのでしょう。また、間奏などでlalala~などのスキャットが入る曲も多く見受けられました。スキャットはメロディさえ知っていればみんなで歌うことができますし、繰り返していくらでも時間を稼げるので、曲が終わって会場が無音になってしまう,,,なんてこともなくなります。

ここには書いていませんが、歌詞に「二人」「ともに」「笑顔」「幸せ」「花」「光」「扉」「永遠」「鐘」「未来」「愛」「奇跡」などがよく使われていました。

 
 
 

分析したことをまとめると

  • テンポはゆっくりめ(80~90)
  • わたし、あなたなど丁寧な言葉を使う。
  • スキャット、コーラスを入れる。

今後も分析していきたいテーマはたくさんあるので面白かったらブログに書いていこうと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

ドレミファソラシドはアルファベットで表します!

こんにちは。hamusukexです。第二回のブログは、音楽理論を勉強するうえで基礎になる部分を解説していきます。

今まで音楽の授業とかで、ドレミファソラシドって習ったと思います。これはイタリア語なんです。実はドレミファソラシドは、英語(アルファベット)に直せるんです。それぞれド=C レ=D ミ=E ファ=F ソ=G ラ=A シ=Bです。なぜ中途半端なラがAになるかは、中世ヨーロッパ時代の事情によるものなのでそれは割愛します。

 

このようにアルファベットにすることで、音楽の理解が非常に深まります。

  • コードの理解
  • ボーカル音程の理解

とりあえず今は、ドレミファソラシドはアルファベットで表すことができるということだけ覚えておきましょう。

今回は短いですがこれで終わりです。お読みいただきありがとうございました。